今日は憲法の学習です。

第六条  天皇は、国会の指名に基いて、内閣総理大臣を任命する。

とあるように、指名と任命は異なる用語です。よくこの氏名と任命を逆に入れ替えられて出題されたりするので、注意して覚えましょう。

暗記する必要はありません。中身を理解してしっかりと記憶をしましょう。

イメージしやすい用語を使っているので、誤解が出てしまう表現になる可能性がありますが、学習のためなので、ご勘弁ください。

任命とは、直接会って、「総理大臣は君に任せた!よろしく頼む!」と言って握手をして、活をいれている様子をイメージしてください。任命式と呼ばれるしっかりとした式典の中で、みんなが正装をしています。大がかりな式典のため、年に数回しか開催されません。キーワードは握手です。(実際は握手はしないかもしれません)

指名とは紙(ペーパー)に「次の総理大臣はこの人にしよう」と書いていることをイメージしてください。会議の中で決めていて、次の総理大臣候補はその会議に来ておらず、次の日に次の総理大臣に氏名され、びっくりしています。キーワードは紙です。

任命は非常に大変ですし、疲れます。指名は紙で名前を書くだけなので楽です。

以上のイメージをもって氏名任命の違いをなんとなくつかめれば、この種類の問題は楽に覚えられるでしょう。

それと、三権分立についてもおさらいしておきましょう。

3権とは立法権(国会)、司法権(裁判所)、行政権(内閣やその他行政機関)のことを表し、それぞれが独立して働くことにより、1部の権力の肥大化を防ぐためにあります。均衡と抑制、チェックアンドバランスなどと呼ばれています。3権分立の仕組みや内容はまだ置いといていいので、立法権、司法権、行政権はどの機関が担っているかを覚えておくと以下の条文が理解しやすくあります。

任命が使われる条文から覚えていくと楽です。

第六条  天皇は、国会の指名に基いて、内閣総理大臣を任命する。
○2  天皇は、内閣の指名に基いて、最高裁判所の長たる裁判官を任命する。

国会の会議で決まって、天皇が直接握手をします。(実際はしないかもしれません)天皇が直接握手をするのは内閣総理大臣と最高裁判所の長たる裁判官の2人しかいません。内閣総理大臣は行政権のトップ最高裁判所の長たる裁判官(裁判長)は司法権のトップです。それぞれの機関の代表者でありトップである2人には直接天皇が任命をするということです。

ちなみに、国会(立法権)にはトップがいません。それぞれの国会議員が平等に動き、法律を作成します。

内閣総理大臣は国会が、最高裁判所の長たる裁判官は内閣が指名するということも合わせて覚えておきましょう。

第六十八条  内閣総理大臣は、国務大臣を任命する。但し、その過半数は、国会議員の中から選ばれなければならない。

国務大臣は内閣を構成し、内閣総理大臣はその内閣のトップです。内閣総理大臣はその部下に当たる国務大臣に直接会って握手をし、任命をします。国務大臣は時限立法などで数名前後しますが、十数人程度です。それくらいの人数ならば、重要なポストに就かせるためには直接会えということです。政策を上手くいかせるために内閣はまとまって動く必要があるのでトップがメンバーを決めるイメージです。

第七十九条  最高裁判所は、その長たる裁判官及び法律の定める員数のその他の裁判官でこれを構成し、その長たる裁判官以外の裁判官は、内閣でこれを任命する。

裁判官はそれぞれが独立して結論(判決)などを出します。ですので、裁判長は任命せず、内閣が任命します。68条と違って、まとまって動く必要がないからです。裁判長は1人ですのでその1人に任命させたら偏った裁判所になってしまう可能性があります。ですので、十数名で構成されている内閣が任命します。

第八十条  下級裁判所の裁判官は、最高裁判所の指名した者の名簿によつて、内閣でこれを任命する。その裁判官は、任期を十年とし、再任されることができる。但し、法律の定める年齢に達した時には退官する。

この条文は今まであげた条文とすこし風変わりな条文です。

指名については、最高裁判所がその他下級裁判所の裁判官を指名となっているのでわかりやすいですが、任命は少し違います。

下級裁判所の裁判官は全部で数百人以上おり、すべて任命していたら非常に大変ですが、条文は任命となっております。

今までの条文は任命主体は天皇、総理大臣、裁判長とすべて1人しかいないので、任命客体はなるべく人数がすくなかったですが、80条は「内閣」が任命となっており、内閣のみんな(18人程度)で手分けして任命をするとイメージしておきましょう。

忙しい受験生は下だけでもいいから覚えよう!

天皇が任命するのは2人だけ!

その2人は内閣総理大臣と最高裁判所の裁判長!

総理大臣は行政のトップ!裁判長は司法のトップ!立法にはトップがないから選べない!

実はこれだけの知識で半分くらい解けたりします。